【小説】『新世界より』貴志祐介
オススメ度★★★★★
ホラー作家として有名な貴志祐介氏のSF大作。文句無しで面白いのでオススメ。
問題、解決、問題、解決、と軽快なテンポでストーリーが進んで行くので、非常に読みやすい。緊張と緩和の連続。海外の大人気ドラマのセオリーと同様である。
現在の文明が滅びた未来の日本。人々は神栖66町という注連縄(しめなわ)で囲まれた集落で、バケネズミと呼ばれる生物を使役しながら暮らし、呪力(サイコキネシス)を当たり前のように操る。
世界観はSFだが、想像できうる範囲を超えてしまうようなものが登場する、いわゆるSF臭さはあまりなくて、ミステリー味を感じる部分もあるので、あんまりSF得意ではない私でも非常に楽しく読めた。
「神栖66町」「呪力」「注連縄」「バケネズミ」「悪鬼・業魔」「風船犬」「ミノシロモドキ」「サイコバスター」などなど、これらは作中に登場する名詞であるが、ことごとくネーミングセンスが日本人的でちょいダサなのが、これまた好ポイントである。
物語を通して、この小説で描かれているのは人間の浅ましさ。
呪力という強大な力を頼り、恐れ、過信した人間の浅ましさ。人間は過ちを繰り返す。
この小説から学んだこと:
・緊張と緩和はみんな大好き
・テンポが良い小説は良い、どんどん読める
・架空の存在を読者に想像しやすく書くの大事
ということで、以上。
是非、オモチロイので読んでみてください。