モ ノ ガ タ リ

読んだ本とか観た映画とか

【小説】『新世界より』貴志祐介

新世界より貴志祐介 講談社

 

オススメ度★★★★★

 

f:id:kuryu_biblio:20200513222200j:image

 

ホラー作家として有名な貴志祐介氏のSF大作。文句無しで面白いのでオススメ。

問題、解決、問題、解決、と軽快なテンポでストーリーが進んで行くので、非常に読みやすい。緊張と緩和の連続。海外の大人気ドラマのセオリーと同様である。

 

現在の文明が滅びた未来の日本。人々は神栖66町という注連縄(しめなわ)で囲まれた集落で、バケネズミと呼ばれる生物を使役しながら暮らし、呪力(サイコキネシス)を当たり前のように操る。

 

世界観はSFだが、想像できうる範囲を超えてしまうようなものが登場する、いわゆるSF臭さはあまりなくて、ミステリー味を感じる部分もあるので、あんまりSF得意ではない私でも非常に楽しく読めた。

 

「神栖66町」「呪力」「注連縄」「バケネズミ」「悪鬼・業魔」「風船犬」「ミノシロモドキ」「サイコバスター」などなど、これらは作中に登場する名詞であるが、ことごとくネーミングセンスが日本人的でちょいダサなのが、これまた好ポイントである。

 

物語を通して、この小説で描かれているのは人間の浅ましさ。

呪力という強大な力を頼り、恐れ、過信した人間の浅ましさ。人間は過ちを繰り返す。

 

この小説から学んだこと:

・緊張と緩和はみんな大好き

・テンポが良い小説は良い、どんどん読める

・架空の存在を読者に想像しやすく書くの大事

 

 

ということで、以上。

是非、オモチロイので読んでみてください。

 

 

新世界より(上) (講談社文庫)

新世界より(上) (講談社文庫)

  • 作者:貴志 祐介
  • 発売日: 2011/01/14
  • メディア: 文庫
 

 

 

新世界より(中) (講談社文庫)

新世界より(中) (講談社文庫)

  • 作者:貴志 祐介
  • 発売日: 2011/01/14
  • メディア: 文庫
 

 

 

新世界より(下) (講談社文庫)

新世界より(下) (講談社文庫)

  • 作者:貴志 祐介
  • 発売日: 2011/01/14
  • メディア: 文庫